Chiezaru’s diary

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土手下のシュールな光景


【 居候アヒル君 】
Olympus E-30 + Olympus Zuiko Digital ED 70-300mm f/4.0-5.6

聖天使城(カステル・サンタンジェロ)近くのテヴェレ川土手下。
ここでランニングを終えてストレッチ、その他の筋力強化(または維持)の運動をするようになって5年くらいだろうか。

ひとつの場所にこれだけ通うとたまに不思議なシーンに出会う。

体長80センチくらいの巨大ネズミがぬーっと川面を泳いでいるのをみたり、カモの群れの中にどういうわけかアヒルが居候しているのに出会ったり、どこかの子供の手から離れてしまったのであろうハローキティのヘリウム風船がゆらゆら橋の上から降りて来て、そのまま着水して流されていくのだろうなと思ったら、水面1メートルくらいのところ、風船の下に垂れた糸がちょっと濡れるくらいのところでほぼ静止、ふらふらゆらゆらと川下へ流されていったり。(この光景は暗くなりかけの時間帯で非常にシュールだった。)

昨日はストレッチをしていたらどこやらかコーヒーのいい匂いがしてくる。
土手下なのにどこからだろうと辺りを見回したら、土手上に上る階段の途中に住んでいるホームレスのおじさんがガスボンベを使ってマッキネッタ(挽いた豆からコーヒーを沸かす器具)でコーヒーを入れていた。
ホームレスと挽いた豆からいれるコーヒー。ミスマッチながらそれはそれでリッチな光景だった。

コーヒーの香りをかぎながらストレッチを続けていると、今度は川に掛かる橋げたの中間くらいから鳥が二羽絡みながら川の中に落っこちるのを目撃。
白いのが見えたから、カモメがハトでも襲ったのか(カモメは乱暴者だ)と思ったらどうも両方ともカモメ。暗くてはっきり見えなかったけれど、小型のユリカモメらしい。
川を流されながら両者水面でバタバタともんどりうって流されてゆく。
喧嘩?交尾?じゃれてるだけ???でもあれじゃさすがに溺れちゃうだろう・・判断できずに混乱して傍観していたら30メートルくらい流されたところで一羽が離脱、元の橋げたに帰還した。
すると遅れてもう一羽も飛び立って、また同じところに停まると、これまたもつれ合って川のなかにドブンと落下。
もみ合いながら50メートルくらい流されても今度はまだ続けている。
なんなんだこれは??と思い、その頃には運動をするのも忘れて川べりで腕を組んで凝視していた。
両者だんだん動きが緩慢になってきて、こりゃどうも死人がでるなと思い始めたところで一羽がやっとという感じで飛び立った。しばらくしてもう一羽も。
どちらもずいぶん消耗している感で、さすがに疲れたのか両者共遠くへ飛び去っていった。一体なんだったのだろう、多分喧嘩だったのだと思う。

こういう場面には大体カメラを持っていない時に遭遇する。(マーフィーの法則?)
これらのシーンの中で写真に収めることに成功したのは、しばらくそこに暮らしていた居候アヒル君だけ。そういえば彼(彼女?)もいつしか居なくなってしまったなぁ。