Chiezaru’s diary

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日曜日の映画


【 女神アテナ 】
Olympus SP-560UZ

久しぶりにゆっくり映画を観る日曜日。
二本。
一本目は最近公開になった「トール・雷の神」。先月シドニーに行ったときに街中でこの映画「Thor」のプレミア・イヴェントの準備をしているところに通りかかり、一見、また歴史モノかなと思って通り過ぎたけれど、ポスターの主人公がハンマーを手にしていたなと思い至ったところで、なるほどトールという北欧神話の神にちなんだ物語かと気づく。
それからずっと気になっていたので観ることに。以前読んだ神話のストーリーは大分前のこともあって殆ど忘れていたが、映画はけっこう楽しめた。
寝る前に本を探し出してまた読み出してしまった。

なかなか「論語」に入れない。

二本目はDVDで旧作。ずっと観たいと思っていて機会がなかったベルトルッチ監督の「シェルタリング・スカイ」1990年イギリス公開。坂本龍一が音楽担当でBGMをよく聴いているのもこれを鑑賞したかった大きな理由の一つ。
主演のひとり、ジョン・マルコヴィッチが良い味を出していた。
ストーリーはどちらかというとあまり波が無く起承転結、序破急ともにあまり意識されて作られていない。
10年連れ添う夫婦とそれに同行する若い男のガイドが中心となった展開してゆく。舞台は北アフリカ。
お互い強く愛し合う夫婦。しかしどこか深い溝が横たわっていて完全には寄り添うことができない。夫、妻ともにそれぞれのアヴァンチュールがあり、心は確信と迷いを行ったり来たり移ろう。
旅の途中での夫の病死と生き残る妻のその後。
淡々と描かれる大げさに表されない苦悩。
物語に救済は無い。

観終わって数時間してからじわじわと味わいの出てくる作品。
久しぶりに大人の映画を観た感触がある。
「ラスト・エンペラー」もそうだったけれどベルトルッチは重い。
たぶん鬱気味の時の方が「入(はい)れる」のかもしれない。でもそういうときに観るのは危険かも、と少し思う。

全く違う映画なのにイメージが「イングリッシュ・ペイシェント」に似ている。砂漠を舞台だからなのかもしれない。

土曜の夜に「1Q84」のbook3を読了。
村上春樹、作家として老成の域に達しているなあと思った。
素晴らしい読み物。