Chiezaru’s diary

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映画鑑賞近況


【 古代ローマ水道橋遺跡 】- ローマ
Canon EOS 5D + Sigma EX 17-35mm f2.8-4 Aspherical HSM

寝る前に少しずつ映画を観ている。
最近鑑賞したもの三本。

少し前に『12モンキーズ』を観たときに、なんだかすごくフレンチテイストだったというのを書いた。
その関連。

監督のテリー・ギリアムがインスパイアされて『12モンキーズ』を作ったというクリス・マルケルの短編映画 『ラ・ジュテ(La Jetée) 』(仏、1962年)を。
調べてみると仏語「La Jetée」は「送迎台」という意味らしい。

作品は30分程度の短いもので、実験映画的なつくり。動画ではなくスチル写真を紙芝居的に挿入しそこにナレーションが入ってストーリーが進む。全編がこのスタイルなのに一部だけ数秒動く映像が挿入されていて、そこにどんな意味が込められているのか考えてしまう。
退屈といえば退屈。でもいろいろと考える材料になる一作でもある。
観終わるとテリー・ギリアムは原作を上手に膨らませて現代映画にしたなあと、その想像力に感心してしまう。

いつものようにWikipediaにリンク。
『ラ・ジュテ(La Jetée) 』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%86

二本目は日本語のできるイタリア人の友人がなかなか良かったと貸してくれた『砂時計』 (2008年公開)。・・うむ。個人的にこの手のセンチメンタリズムは苦手。
ストーリーも以前なんども観たような、使い古された骨組みにヴァリエーションの違った肉付けをしたしただけのような。たぶん十代から二十代前半のときに観るべきものだろう。そうしたら少し心に浸みてくるものもあったかもしれない。

三本目。昨日観終えたは北野武監督の『アキレスと亀』(2008年公開)。
これの前に『アウトレイジ』をまったく受け付けなかったのに比べると、こちらは面白かった。

『アキレスと亀』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AD%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%81%A8%E4%BA%80_%28%E6%98%A0%E7%94%BB%29

しかし北野作品を観ればみるほどそこに流れている一貫した狂気というもを感じる。それも非常にピュアな狂気。
迷いも譲歩もなくほかの感情から切り離されて独立存在として彼の中にいる(「ある」のではなく「いる」)鬼的なもの。それは眠ってすらもおらず常に外に出ようと虎視眈々と隠れている。それもこちらから少しだけ見えるところで。わざとそういう位置にいる。観ていてときどき戦慄を感じるのはたぶんそのせいだ。

映画だったり小説だったり、作品を観たり読んだりして、これを作った人には一度あって少し言葉を交わしてみたいなと思うことはあるが、回を追う毎に絶対会いたくないなという感が強くなる人も珍しい。

鬼才であり天才であることは間違いない。