Chiezaru’s diary

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世界の終わりの日


【 Venere Vincitrice(勝者ヴィーナス) 】- Museo di Roma(ムゼオ・ディ・ローマ)、カノーヴァ展より
Olympus E-5 + Panasonic Leica D Summilux 25mm f/1.4

(今日で世界が終わるらしいので、それならば美しいもので〆ることに-笑)

写真のデッサンには下にタイトルがあって「Venere Vincitrice(ヴェーネレ・ヴィンチトリーチェ」とある。
イタリア語(ラテン語ではない)。

訳はVenere=ウェヌス、Vincitrice=勝者(女性形)

ウェヌスはローマ神話の愛と美の女神。
英語読みのヴィーナスのほうが日本では知られているかもしれない。
ギリシャ神話ではアフロディーテに相当する。

勝者とあるので、たぶんギリシャ神話の「パリスの審判」のことだろう想像する。
「パリスの審判」とはイリオス王プリアモスの息子パリスがヘーラー、アプロディーテ、アテナ(ローマ神話では、ユーノー、ウェヌス・ミネルヴァにあたる)三人の女神のうちで誰が最も美しいかを判定させられ、最終的にアフロディーテを選び、最美神の座が決定したというエピソード。

それゆえか絵中のヴィーナスにはどこと無く得意気な雰囲気が漂っているようにも見える。

アントニオ・カノーヴァはこの絵と同じものを大理石像で残しているので(この絵と像、どちらが先に製作されたのかは不明)いつか実際に見てみたいと思っている。ローマ、ボルゲーゼ美術館蔵らしい。
遠くないしその気になれば日曜日を選んで行けるのだが、「近さ」というのは往々にして機会を削ぐ力を持っていて、ついつい先延ばしにしてしまい、なかなか実行に移せないでいる。

なので来年に達成したい目的事項リストに加えることにする。

さて、中米の原住民だったマヤ族のカレンダーが今日で終わるらしい。
どうしてそれが世界崩壊というタイトルで振れ回されているのか良くわからないが、まぁ場所によっては経済効果も上がっているようなので、この不況の中、それはそれでイヴェント的にはウェルカムな結果ともいえるのだろう。(終末感というよりは週末感が漂っているような・・。)

世界の終わりというと村上春樹氏の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』は大好きな一作。
映画化されたら面白そうだなとずっと考えている。作品的に『ノルウェイの森』よりもずっと映像化に向いているような気がするのだけど。

イギリス人の同僚サミュエル君はクリスマス休みに入った。今日のフライトで実家のあるマンチェスターに帰るらしい。

世界の終わりの日に飛行機に乗るのってちょっとしたスリルだよなと思ったりする。