Chiezaru’s diary

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認識の違いというか


【 レリーフ 】- ローマ国立博物館マッシモ宮
Olympus E-5 + Panasonic Leica D Summilux 25mm f/1.4

いつものように仕事場の前にあるバールで(今朝はコルネットではなく)チョコレート・マフィンとアメリカンコーヒー(朝は水分が多いほうが好みなのでアメリカン)をテイクアウトしてオフィスに向かおうとしたところ、テーブルに座った(たぶん、でもほぼ確信して)アメリカ人のカップルがイタリア人のウェイトレスに朝食のオーダーをしていた。

聞く気はなかったが通りすがりに耳に入ってきたやりとり。

アメリカ人女性:「私はエスプレッソ・コーヒーを。(I'll have an espresso.) 」
エクスプレッソ(expresso)といわないところにイタリアンなコーヒーを頼んでいる雰囲気が出ている。

イタリア人ウェイトレス:「ロングがいいですか、ショートがいいですか?(long or short?)
(注)ロング=水分量が多く、その分薄目。ショート=水分量が少なく濃い。

自分:変な質問をするなあ(と思う。)

アメリカ人女性:「もちろんロングで。(Sure, long.)」

イタリア人ウェイトレス:「タッツァ・・ああ、カップは大きいのが、それとも小さいのがいいですか?(Big tazza.. oh no, cup or small cup?)」
注:タッツァは伊語でカップの意。思わずイタリア語が先に出て言い直している。

アメリカ人女性:「大きいほうでお願い。(Big one, please.)」

自分:へ??(と思う。もちろん口には出さない)

その先は通り過ぎてしまったのでもう聞こえなかったけれど、ふ〜ん、なるほどねと思った。

通常イタリアでカッフェ・エスプレッソといえば小さなカップでその半分前後の量の濃いコーヒーが注がれて出てくる。
ロング(ルンゴ)を頼んでもカップ8〜9分目まで。

ちなみにカップが大きくなったら名前が変る。カッフェ・アメリカーノ(=アメリカン・コーヒー)と。
(エスプレッソかルンゴの量のコーヒーをカプチーノ用のカップに入れて熱湯を足して割る。アメリカンとしての味は悪くない。)

ところでイタリア人は大概、カウンターで立ったまま、さっと飲んで去ってゆく。
コーヒーを片手に座り込んでその場でマッタリすることはしない。(スターバックスが展開しない文化的背景もたぶんこれだと思う。)

そういえばローマの某チャイニーズレストランでラーメンがあるというので、一度試したことがあるが、麵はラーメンのそれでスープが鰹ダシだった。(一口食べて、これ、蕎麦じゃん。と発言してしまったように記憶している。)

そば汁にラーメンの麵。不味くはない。でもなんか違うというもの。

属す文化によって名前が同じでも似て非なものになることがある。
それはそれで面白い。

イタリア人のウェイトレスもそんな日常的状況から質問するようになったのだろう。で、きっと友達との笑い話のネタにしているんだろうな。

今思い出した。メキシコで遺跡のツアーに行ったときに現地イタリア人ガイドが言っていたこと。イタリアで食後酒として飲まれるグラッパ。
ご当地ではドラッグ(麻薬)の意味で通っているのでローカルなパブでグラッパを注文するのはやめたほうが良いのだとか。ま、笑い話半分だとは思うけれど。実際に注文してみたらしたらどうなるのだろう。

ここには上等なグラッパはあるかい?とか。