Chiezaru’s diary

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逡巡中


【 2015年10月11日の古代ローマの水道橋遺跡のある公園 】 - ローマ、イタリア
Canon 5D + Canon EF 24-70mm f/4L IS USM

土曜日からの出張で迷っていること。

毎年場所を替えてこの時期に催される仕事関係のそこそこ大切なミーティング。
自分が出席したものを挙げると一昨年のオーストリアのザルツブルグ、去年のパリ。

今年はイスラエルのエルサレム・・。

このタイミングで・・。

さて・・。少し前からきな臭いことになって来たのは知っていたけれど、ここに至って、きな臭いどころか火がつき始めたような緊迫感。

ミーティングにはヨーロッパ各国からけっこうな人数がくるはずなのだけど、これに関しては反応はさまざま。
去年のうちに不参加を表明した人もいれば、楽観的にご当地の政情不安には我関せずで渡航するという人も多い。

自分はというと、旅に関しては基本的に君子危うきには近寄らずをモットーにしている。

春のヴァカンスもイスラム圏は第一に避けてけっこう細かく調べてから結局キューバにした(そしてこの選択は大正解だった)。

そんなわけでここ数日、頻繁にニュースや外務省の海外安全ホームページをチェックしている。

・・昨日もテル・アヴィヴやエルサレムを含む複数のテロ活動があり合わせて死者数名重軽傷が数十人。

なにやら安心できる要素はまったく無い。

現地についてからのミーティングのプログラムを見ると、死海のリゾート地に一泊、それから旧市街ではないもののエルサレム西側の中心に数泊。

全てのオーガナイズをした現地の同業者はメディアは大袈裟で誇張している、こちらに住んでいれば分かるが、一連の事件は自分たちの生活圏とはまったく関係ないから安心して来て、滞在を楽しんでくれとメッセージを寄越してくるのだが・・。

個人的な見解でいくと、たぶん95%は問題ない。あったとして嫌な予感のするのはエルサレムと死海と往復路、そして観光地になっている首都旧市街の雑踏。
正直なところ自分の身に何かが起こるという不安はそれほどない。

それからこの訪問について最も「どうかな?」と思ってしまうのは、安全面のことよりも、これほど身近なところで人々が殺しあっている国に行って、仕事を兼ねていると云いつつも、休憩時間に自分達は死海リゾートでビール片手に泥パック。これはどういうものかと首を捻ってしまう。自分としてはそれを正しいことだとは思えない。

命がけの負け戦の繰り返しを強いられているようなパレスチナ人にしてみれば、外国人グループが憎きユダヤ人ではないにしろ、そんな能天気な集団を許して置けないだろうなというのも心理的に理解できる。

先日母と電話で話したときにイスラム国のことでずいぶん心配していたので、何言ってんだ、あれはアラブのイスラム教徒の国の話だろう、イスラエルはユダヤ人の国、イスラム教徒なんかほとんどいないから、逆に安全なんだと大法螺を吹いておいた。

フライトチケットは既に取っているし、出張取りやめとなると、自分の責任にはならないといえ、それなりの実損が出る。ただ、数百ユーロのために格別思い入れのない国で思わぬアクシデントにあうのもつまらない話。ボスもその意見に賛成してくれている。

自分の国に滞在中に起こってしまったハプニングならばある意味受け入れられるかと思う。
今回はそれとは訳が違う。

行かねばならぬ理由がどんどん小さくなっていく。

もちろん行ってみれば目が開くということがあるのも経験的に知っている。

最終的には自分で決定しなくてはならない。さて、どうしたものか。