Chiezaru’s diary

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ブレード・ランナー


【 ヴェネツィア - アィツネェヴ 】イタリア、ヴェネツィアより
Olympus SP-560UZ

昨日は「ブレード・ランナー」を鑑賞。公開は1982年。フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』が原作。
監督はリドリー・スコット。なるほど。見せる映画になっているわけだ。
主演はハリソン・フォード。

原作と映画版は全く違ったストーリー。
究極的にどこに焦点があっているかという観点からみると良く練られた作品だと思う。

小説中のアンドロイドは映画版ではレプリカントと呼ばれる。
宗教観や生物に関する考察、精神分析学など本のほうが構成や要素が複雑で深い。が、観るエンターテイメントとしてはあまり重い焦点を増やしてしまうと観客が混乱するし散漫になってしまうのであろう、余計な要素を全て排除して言いたいことは一つ。ヒトの存在価値とは何かという問いに、ヒトの尊厳であるとストレートに回答している。ピンポイントをついた秀作だと思う。選択する意思と力。生きとし生けるものへの敬意、その存在の継続を願う思い。
アンドロイドの限られた人生(?)を通じて逆説的にその意味を問いかける手法は小説よりもドラマチックだった。

そういえばレイフ・ファインズ主演の「ストレンジ・デイズ」と映像的にイメージが交錯するが「ブレード・ランナー」に関して言えばまだ仮想現実を描くところに深く脚を踏み込んでいない。というか原作を踏まえていうとあえてそちらに転ばないように目論んで作られたのかもしれない。
「ストレンジ・デイズ」を調べると1995年の公開。