ナターレ (Natale)
【 キミたちの屋根を目差して・・ 】
Olympus E-5 + Olympus Zuiko 50-200mm f/2.8-3.5 ED SWD
(皆様、メリー・クリスマス!)
以前にも書いたような気がするけれど、自分のような凡人が季節が巡るごとに考えることは大して変わらない。
ローマのクリスマスが好きだ。
今年は景気が悪いせいもあって今ひとつ雰囲気がでなくても本質は変わらない。
ちゃらちゃらしていないというか、どっしりしているというか。
もちろん時節柄、日本と同じでお歳暮のような社交辞令は頻繁に行われる。そして街中のデコレーションやらショップのヴァリエーションやらを見ているとローマのそれは東京、ロンドン、ニューヨーク的観点から見ればはっきり言ってショボい。
でも、そこに他人はどうでもいいという余裕のようなものを感じる。Natale (ナターレ:伊語でクリスマスの意)がベースにどっしりあり、だからこそ飾り付けなど必要以上にしなくともよいという感じだろうか。
他の大都市のそれは華やかだけれど外装ばかりでその中身は薄いような印象を受ける。カトリック総本山のヴァチカンのある本家の余裕。そんなものかもしれない。
日本人に分かり易い説明をするとすると、イタリアのクリスマスは日本の正月に似ているといえばイメージが湧くかもしれない。家族が集まり、クリスマスの料理を食べ、教会に初詣(?)に行き、親戚周りをする。
パーティー的要素というよりは、伝統行事的慣例がそこにある。
その逆に大晦日は偉い騒ぎになるのだけれど。
25日に街を歩くと静かで厳かな感じがある。車も少なく空気も澄んでいる。逆に元旦の早朝は日本の日曜日の繁華街の夜明け的、祭りの後的疲れと澱みが残っている。前年から取り残された酔っ払いがまだ徘徊していて、理解もおぼつかないままにどっちがテルミニ駅だ?などと聞いてくる。こちらはあまり好きではない。
今夜は彼女と友人夫妻と小さなパーティー。ちょっと良い赤ワインを持っていこうと思っている。
明日はサン・ピエトロ広場に行って、覆いの外されたキリスト降誕再現シーンのステージを撮って来るつもり。