腸内液化現象に象徴される宵
【 グリーン・グリーン 】
Olympus PEN E-PL1 + Panasonic lumix 20mm f1.7
(せめて写真だけでも爽やかに・・)
日曜日に観た映画、ヴェンダースの「パレルモ・シューティング」の感想が昨日でまとめ切れなかったから、本当はそれを終わらせようと思っていたのだけれど。
昨晩の話。
彼女が晩餐会に出かけて一人だったので、久しぶりのランニング(腰の調子を見ながらいつものメニューの60%をこなす)をして、帰宅した後は映画でも観ることにして、これまた久しぶりに自炊はせずに近所のチャイニーズ・レストランからテイクアウェイで晩御飯を買ってくる。
サラダ、蒸し餃子(4個)、カレーチャーハン、カモの辛口ソース掛け、プラス注文してからできる間の待ち時間にハイネケンの大瓶を一本。しめて16ユーロ(1900円弱。円に換算するとけっこう高く感じる・・)
ローマの中華は安くて味はそこそこ(中の下から中くらいの美味しさ)、サーヴィスは悪くない。カスタマーサーヴィスが何なのか全く分かっていないイタリア人の多さに較べて中国人は大概きびきびと気持ちよく働く。ただし、揚げ物系は危険。おなかの弱い人はだいたい影響がでる。
自分のその口なので揚げ物はパス。
持ち帰ったものを食べながら映画を観始める。
あまり外国語のものに気が向かなかったからストックの中からまだ観ていない邦画を選択。黒澤明の遺作となった1993年の公開『まあだだよ』を。
映画は冗長。持って帰ってきて食べたものも、今ひとつ。正直いつもより美味しくない。カレーチャーハンには塩が入っていなかった。サラダも泥臭くこの時にビミョーに嫌な予感がする。とはいえ腐っているわけではないので完食し、映画を観続ける。
しかし、自分のようなものがどうこう言うのもおこがましいけれど、この映画、今年観た作品の中では『ノルウェイの森』の次にひどい。今年のワースト2。
甘ったるいノスタルジーと予定調和が始終流れていて、腹が立つほどだった。
劇中の野良猫が戻ってこないエピソードなどは勘弁して欲しい。
これが受け入れられるとしたら、児童館で子供向けに上映するか、人生でもうやり残したことは無いという悠々自適な老人たちの集まる老人ホームくらいなんじゃないかと思う。
表現者の意図するところに全く共感できなかった。あれはあれでありだろうという言葉がでてこない。
2時間を無駄にしたという徒労感の方が大きい。
こういう思いを観客にさせるのは作り手の罪だ。
おまけに中盤辺りから腹がグルルと鳴る始めて、トイレに駆け込む羽目にもなった。中華にやられたらしく見事に腸内液状化現象に(要は下痢だ。でも音的には洗練されている)。幸い腹痛、吐き気等には見舞われなかったから良かったけれど、なんだかトホホな宵であった。
ところでイタリアの腸内液状化防止剤(要は下痢止めだ)は良く効く。