【 杯 】
Olympus E-30 + Olympus Zuiko Digital 12-60mm f/2.8-4 ED SWD
震災から原発問題にかけて日本の政治家には有効な手立てを打ち出すことが出来ないということがこの三ヶ月で浮き彫りになり失望している。
そんななか特に原発に関して国際社会の中における日本の責任今後の取り組みについて日本人の口からやっと意に適う言葉がでた。
先日の作家村上春樹氏のスペイン、カタルーニャでの国際賞授賞式でのスピーチは完璧なものだったと言ってよいだろう。
日本人の美観と精神性。
自然と共存してゆく特有な距離の取り方、自然災害へのスタンスと取り方、洞察力はさすがと言うしかない。
スピーチ後半の脱原発へのメッセージとして、日本が他国に迷惑を掛けていることを言葉にし、これからの方向性を指し示し、最後に先だってのスペインでの震災被害者への心遣いを示すコメントは多くのスペイン人の心をつかんだのはないだろうか。
冒頭のカタルーニャ人の女性が彼に握手だけではなくキスを求めるというエピソードはちょっとすべり気味だった気もするけれど、その辺は村上氏らしいといえばらしい。
真っ当な日本人の多くが考え、発言したかったことを見事に代弁してくれる壇上になったはずだ。
一人の日本人として誇りに思う。
ところで村上氏、なかなかいい声をしている。