Chiezaru’s diary

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つれづれ雑記 - スコットランドの独立投票の件など


【 とある日のローマの夕暮れ 】- Sony RX1R
(昨日2014年9月18日のローマの夕暮れ)

今回のスコットランド独立投票の意味と結果とその後の影響についてはいろいろ想定できて考える種も多い。そのなかで根本的な問題を含んでいてとても面白いなと思った点を一つ。

結局は否決で終わったようだけれど、昨日同僚のスコットランド人イーアン君と話しながら考えたこと。

一個の国が独立運動に傾く場合、一番の原動力は民族自決の意思なのではないかとおもう。
多くのスコットランド人が自分たちの国、スコットランドを再び一つの独立国家にしたいという気持ちはよく理解できる。

ただ、一度は他国と合併してグレート・ブリテン(United Kingdom)になっている現在、アイデンティティ、もしくは血統としてのスコットランド人は残っていても、パスポートはイギリス、ウェールズ、北アイルランドと共通。民族としてのスコットランド人をそれと証明することは難しくなっているはず。

そんな状況下、独立の可否を問うには住民投票という採択になるのだけれど、イーアン君いわく、この「住民」という範疇が曲者で住民登録をして住民票をとるには別にスコットランド人である必要がないというのに気づいていない人が意外と多いと。

投票権のある「住民」の40%はイギリス人やウェールズ人、北アイルランド人、またはその他の国から来て帰化した移民など非スコットランド人であることがほとんど公にされていないのだとか。

と、すると。

仮に独立が可決したとしてもその国はスコットランド人が思い描くスコットランドには戻らないということが起こってしまう。

同時に引っ越して、たとえばロンドンに住民票を移してしまったスコットランド人はどんなに愛国心があって生粋のスコットランド人であっても投票ができない。

何かが根っこから間違っているような・・。

どうも本末転倒、不思議な面白味を感じるのでメモに残してみた次第。