Chiezaru’s diary

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タイ、カンボジア紀行 - 12 (カンボジアと日本)


【 かものはしプロジェクトのファクトリーにて 】- シェムリアップ、カンボジア
Sony RX1R

(出来上がったイグサを使ったプロダクト。)

参加したツアーはその道のプロのエージェントさんがオーガナイズしてくれていたもで、その人は去年ローマで会った彼女の旧い友人。詳しくは聞かなかったけれど、同行していてルートの開拓のスペシャリストなのだと理解した。凄腕と称して差し支えないコーディネーターかと思う。

前日までまったく内容を知らされていなかったのでアンコール・ワット早朝ツアーで昼前には終わるものかと思っていた。が、実は丸一日のフルスケジュールのものだった。出発してからしばらくしてからそれがわり、渡しに舟とはまさにこのことだった。

今日は今回の旅で見てきたことのなかで日記に記しておきたかったことをひとつ。

日本人がカンボジアで行っている支援について。

ツアーに参加することで、アンコール・トムの遺跡保持を日本がサポートしているのをはじめ、カンボジアでは企業、個人レヴェルで邦人のヴォランティア活動が活発なのを知ることができた。

午前中の遺跡のあとは日本人が現地で行っている支援活動を見学。

最初は人身売買を防止抑制を目的として結成されている「かものはしプロジェクト」の現場へ。
カンボジアの貧困は日本人なら誰でも話には聞いたことがあるのではないかと思う。
貧しい暮らしのなかで、子供の売買が行われている。
親が売ったり、親のいない子がさらわれたり、だまされて連れて行かれたりというケース。

「かものはしプロジェクト」ではそれを防ぐために貧困層の子供、ここでは特に女の子、を集めて職業訓練を通したスキルの習得と読み書き計算等の一般教養を提供している。
地域の特産品であるイグサを使ったプロダクトを商品として完成させるために、少女たちは段階的な仕事工程の中でさまざまな仕事をこなし、チームで働くことによって社会性を学んでゆくプログラム。

詳しくはオフィシャルサイトを:
かものはしプロジェクト
http://www.kamonohashi-project.net/

実際にヴォランティア活動をしている邦人スタッフの方からもしばし話を聞くことができた。
若いのに自分の考え方をしっかり持っていて回答も明瞭快活。気持ちのよい礼儀正しさを兼ね合わせていて、ああ、自分のしていることにやり甲斐をみつてけて積極的に参加している人はいいなと、こちらも素直に受けいれることのできるタイプの人だった。

よい顔をしていた。

そのスタッフの方の記事:
「2年間の休学を決意。カンボジア駐在学生インターン」
http://www.kamonohashi-project.net/staff/2013/10/post_3.html
「かものはしで働くカンボジア人女性が求める本当の幸せとは」
http://www.kamonohashi-project.net/letter/2014/03/post_396.html
(読んでいると自分が同じような歳だった頃のことを思い出して恥ずかしくなる・・。あのころの自分はタルい上に頭でっかちで屁理屈ばかりで・・うむ。・・ん?屁理屈は今もまだ捏ねると?あ、はい。遅ればせながら反省・・。)

以下説明を受けながら見学させてもらった作業場などのスナップを。
(すべてSony RX1Rで撮影)
原料のイグサ↓

染め工程↓

染め上がったイグサ↓

積まれているのも綺麗。

織り工程↓

織り工程↓

裁断工程↓

ミシン工程↓

完成品↓

ファクトリーで働きながら学ぶ女性たち↓

こうしたヴォランティアは「かものはしプロジェクト」だけではなく、いろいろな分野で行われている。
そのあとに訪れた山本日本語学校やクメール伝統織物研究所など、カンボジアの人々が独り立ちするのに必要な語学の知識や伝統工芸を活かした職能を身につけるのに貢献している。

特に山本日本語学校ではカンボジアの若者たちが日本語を学んでいるクラスルームでアクティヴィティーに参加させてもらう機会を得た。ちょっとした経験ができたと思う。

山本日本語学校について。
http://www.angkor-tour.com/jhc/yamamoto/index.html

山本日本語学校でアクティヴィティーに参加させてもらって↓

もちろんたどたどしさはあるけれど、みんな敬語もできて、何よりもちゃんと助詞「て、に、を、は」を使って話していたのがこの上なく好印象だった。日本人以上に日本語を正しく使っている。これについては授業をしている日本人の先生にも賛を贈りたい。話を聞いていてみんなちゃんと自分の夢をっていてそれを語れるのが胸に響いた。そして笑顔。なにやらこちらのほうが元気づけられてしまった形。先に進めば難しいことももちろあるとは思う。でもこれからも頑張ってぜひその夢を叶えてほしい。

若者たちとひと時を過ごした後はクメール伝統織物研究所へ。こちらはカンボジアの伝統技術を日本人がバックアップする形の支援。
http://iktt.esprit-libre.org/

クメール伝統織物研究所↓

ネコ↓

生糸↓

生糸↓

完成した絹織物↓

クメール伝統織物研究所にて↓

観光地以外にもルートにこういうところを入れてくる心意気がにくい。
ビジネスに組み込むことで、カンボジア人が被支援者にとどまらず、能動的に経済活動に参加する機会を得ることができ、人と人を対面させることによって人間関係が生まれる。生きた文化交流。
みんなのためのビジネス開発。自分にとっては啓蒙にすらなった。


かものはしプロジェクトファクトリーにて。