Chiezaru’s diary

字を書くときはChiezaruで写真を撮るときはMeta_Monkey

床屋徒然


【 マリオさんの床屋 】- ローマ
Olympus PEN E-PM1 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8

先日髪を切ってもらいに行ってきたマリオさんの床屋。

昔は流行ったのだろう。中には鏡のついた洗髪台が四つ並んでいる。

でも知っている限り今使っているのは中央の二台だけ。
昔は二人で仕事をしていたのかもしれない。

日本に昔からある床屋にも共通する雰囲気のある、床屋然とした床屋。

よくよく考えると、かれこれ15年ほど通っている。今では顔を出して席に着いたら今回はいつもに比べて長め短めとリクエストすれば後はお任せ。

自分もちょっとした常連客だ。

マリオさんは洗練されているとは言い難いけれど礼儀を知っていてあまり喋り過ぎないところがよい。かといってつっけんどんということもなく、どちらかというと人懐っこい雰囲気の人。

そういえばこのところおじいさんの感じが強くなってきたように思う。

長年通っていてこの人もイタリア人だなぁ思うのは、手順が一定してないところ。

自分のセオリーがあるのかもしれないが、髪を洗うタイミングが散髪の前だったり、後だったり、思いついたように途中だったり、水スプレーで髪を湿らせてから切ったり、乾いたままいきなり始めたり、こちらとしては気まぐれにその日の気分でやっているようにしか思えない。

でも終わりよければすべて良し。仕上がりはいつもほぼ同じようになる。

鏡でみていると、マリオさんはドライヤーで頭を乾かしてくれているときにものすごいしかめっ面をしている。

他の人にしているときを観察していてもドライヤーの段になるといつも苦悶の表情ともいえる顔をしながらかけている。

たぶんそういう癖なのだ。

順番を待っているときに近所の常連さんや奥さんが来ることがあって、たまに孫らしき子供が一緒のこともある。

自分は挨拶だけしてそれ以上は首を突っ込むことはせず、座って隣のテーブルに積んである雑誌などを適当に見繕ってぱらぱら眺めているのだけれど、孫がくるとよほど嬉しいのか手が止まってお客さんそっちのけになることがある。

自分がやってもらっているときだと注意散漫になってちょっとはらはらする。

行きつけの床屋があるというのはちょっとした小確幸だと思う。

マリオさんにはこれからも末永く現役で頑張ってほしい。