Chiezaru’s diary

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ノヴェッロ・ワイン妄言


【 ノヴェッロ・ワイン2012 (Vino novello 2012) 】
Olympus PEN E-PM1 + Panasonic lumix 20mm f1.7

11月。スーパーの店頭にも今年のノヴェッロ(フランスだとボジョレー・ヌーヴォーになる)が並びだしている。

イタリアに来た当初は珍しさも手伝って毎年種類の違うボトルを数本買って飲み比べなどしていたが、最近は自分ではまず手に取らなくなった。
というのもノヴェッロやボジョレー・ヌーヴォーというワインは決して美味しいものではないからだ。
ちょっと値の張るものを仕入れても、味の基本は同じ。甘ったるく舌の上で立体感がない。個人的には少し煮詰めた葡萄ジュースにアルコールが入っているような、そんな感じの味。おまけに飲みすぎると悪酔いする。

結局同じ金額を出してワインを買うなら普通のテーブルワインの方を選ぶことになる。

写真の一本は、まぁ大して美味しいものではないとしても一応季節ものだからと彼女が買ってきてくれたもの。確かにそのようにエンターテイメントして季節感を楽しむというのは正しいことで、異議無く、ありがたく栓を抜いた。今年も無事仕込が済んでワインができましたよという雰囲気を楽しむためのいわばお祭りワインだ。一口飲んでああ、やっぱりノヴェッロの味がすると確認し合い、これを一本終わらせるのは無理だと無言の合意があり別の(ノヴェッロではないワインの)ボトルを開けることになる。(乾杯して味見して先にギブアップしたのは彼女のほうだ-ボソ-笑)

晩餐ではだいたい二人で一本のワインをあけるのだが、このボトルについては封を切ったまま蓋をしてまだ冷蔵庫にある。料理用に転用されていくわけだ。(ちなみに裏技的に、このワインは赤なのに冷やすと少し飲めるようになる。もしくは砂糖少々クローヴ、シナモン等のスパイスを加えてホットワインにするというのも悪い選択ではない。)

そういえば稀にアジア人で判らないと思っているのか去年やら一昨年やらの旧い年代のノヴェッロを薦めてくるレストランがあるが、そういうところはまず食べ物にも期待しないほうがよい。(それからチャイニーズレストランで一度、インドレストランで一度、そんなことがあって、そのときは笑顔で違うワインを注文した。たぶん判っていないのだ。でもやはりイタリアンでは許されない。)

友人にソムリエがいて、その人がノヴェッロは早飲みワインで三ヶ月を過ぎるとすでに劣化が始まると言っていたのを覚えている。