Chiezaru’s diary

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雑事雑感


【 ヴァチカンのキューポラ 】
Olympus E-5 + Panasonic Leica D Summilux 25mm f/1.4

(写真は去年の5月、前ローマ法王ヨハネ・パオロ2世の列福式前夜、深夜を過ぎてすごい人だったので歩きながら特に構図も考えずに撮ったもの。ここを毎日通って通勤、帰宅。年に数回、霧の濃い朝にはこのキューポラが見えなくなる。)

出勤、帰宅時ヴァチカンの近くを通るので意識せずに見ていなくても、サン・ピエトロ寺院は年に500回くらいは視覚に入っているはず。
今住んでいるところに住んでいる限りはこれが生活の一部になり続ける。

ただし、たまに今日のようなことがある。
霧の立ち込めた早朝。
サン・ピエトロ寺院のキューポラ(ドーム状になっている屋根)が真っ白に塗りつぶされている。
以前にも書いたことがあるけれど、やはり、そこにあるはずの巨大な建造物がすっぽりと欠落しているのを眼前にするというのは不思議な感じのするものだ。
バス停まで足を運びながら、あるはずのキューポラをしばらく見つめてしまった。
(無いものを見つめるとういうのは、どこかおかしみのある行為だと思う。)

バスに乗って、住民にとってはなんとなく新鮮だったけれど、もし観光客が早起きしてサン・ピエトロを見に来ていたらがっかりだろうなぁなどと、考えるともなく考えていた。

空白のもたらす思考。