Chiezaru’s diary

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「ブラック・スワン」


【 月光 】
Olympus E-5 + Olympus Zuiko Digital 12-60mm f/2.8-4 ED SWD

昨日やっと「ブラック・スワン」を観ることができた。
ナタリー・ポートマン主演。あちこちで評判を聞いていたから興味のあった一作。

結論から言うと、非常によかった。

ナタリー・ポートマンの演じるバレリーナが「白鳥の湖」の公演に向け新しい主役のポジションを勝ち取り、そして舞台を演じきるまでのストーリーだが、その間の主人公の精神的混乱と葛藤、執念が描かれている。

舞台で演ずる全く違う性格の白鳥と黒鳥の一人二役。白鳥はパーフェクトにこなせるのだが黒鳥を上手く表現することができない。
ジレンマは妄想を呼び、予期せぬ自らの狂気の世界に足を踏み込んで行くことになるが、演じ切ることを諦めることをしない。パラノイアが強くなるほどに役への思い入れは強くなり、その交錯が最高潮に極まった時、どうしても越えられなかった一線を突きぬけて完全な黒鳥になる。

そこにたどり着いた代償は大きかったが。

映像美もさながら、ナタリー・ポートマンの快演に賛。

なにを演じても上手い役者なのにどうしても「レオン」の子役という、レッテルがついて廻っていた彼女が、今回の役でそれを払拭した感がある。

彼女の代表作として残る一作だろう。

ところで、ウィノナ・ライダーにあの役をさてしまうのは、ちょっとどうだろう。
今の彼女の俳優的ポジションとイメージが重なって、見ていてイタすぎる。