Chiezaru’s diary

字を書くときはChiezaruで写真を撮るときはMeta_Monkey

日曜日の映画


【 地図の間 】- ヴァチカン博物館
Olympus PEN E-PM1 + Panasonic Lumix G Vario 7-14mm F4 ASPH

昨日久しぶりに映画を一本。
ナンニ・モレッティ監督『ローマ法王の休日:原題HABEMUS PAPAM』伊2011年。
原題はラテン語で、英訳すると「We have Pope」日本語に直訳すると「私たちは法王をもっている」となるが、意味的には「我々は法王を迎えた」とするのが近いかと思う。オリジナルタイトルの主語がわれわれ(民衆)なのに対し、邦題からはその意味が剥奪されていて、妙に朗らかな印象を受ける。

日本では7月公開ということなのであらすじには触れないことにする。
一応関連サイトにリンクを
『ローマ法王の休日』 http://eiga.com/movie/58004/

ナンニ・モレッティというとメガホンを取りながら自らも役者として作品に登場するタイプの監督。

以前『息子の部屋:La stanza del figlio』(2001年)を観たときに、ふ〜ん。と思った。
というのはこの映画が意外とイタリア人に支持されたからで、それまで人気の出るイタリア映画というのは、たいてい旧き良き故郷にちなんだノスタルジーを綴るものが多いように受け止めていたせいがある。
現代社会における都市の孤独を描いた作品が多くの人に受け入れられたのを聞いて、イタリア人も大都市の寂寥感を共有するようになったんだなと思った。

さて、今回の『ローマ法王の休日』。
てっきりほのぼのコメディーなのかと思って、ある程度安心してみていたら、なんだかな・・となり、ラストシーンにに至って、あれれ・・、という感じで終わってしまった。

はて?なんだったんだこの映画はという感が強く残る。

ストーリには厚みを欠いて、シーンからシーンへのつながりの必然性を見出せなかった。
モレッティ氏の聖職者に対する懐疑と嫌悪感を根底に感じる。
次期法王候補たちが欠陥だらけの無知な群集のように描かれ、見方によっては非常に意地の悪い表現で、観終わってあまり後味のよい作品ではなかった。