Chiezaru’s diary

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先日観た映画


【 コントラバスのネック 】
Canon EOS 5D + Canon EF 70-200mm f/4 L USM

ちょっと気になっていた実写版『あしたのジョー』(2011年東宝系)。DVDも出た。
国内でも今年最も注目度の高い映画のひとつではなかっただろうか。

ネットで見ていると評判は分かれるようで、ジョーのストーリーを2時間ちょっとの時間に凝縮するのに無理があるというのが多かったように思う。

さて、自分としてはけっこう気に入った。
『あしたのジョー』を実写版にしてこれよりも良いものを作るのは難しいだろうなという感想。
キャスティングの勝利だろうな。
キーキャラクターとなる、ジョー、力石、丹下段平。山下智久、伊勢谷友介、香川照之。それぞれに良い演技をしていたせいだろう。
三者の中で役者力で少し劣るかと思われる山下智久も、節々でジョーの虚ろな離人感を上手に醸していたし、伊勢谷、香川の両人はお見事と言うしかない。
大河ドラマ『龍馬伝』の高杉晋作役で主役を喰っていたと(と個人的には思う)伊勢谷友介の演ずる力石は真摯に力石徹その人であったし、香川照之の丹下段平は最初の登場の際に「ん?」と少しだけ違和感を感じたものの、そのあとは自らの演技で丹下段平を自分に引き寄せた感がある。

曽利文彦という監督の作品は初めて見たが、ストーリー展開もスムーズで良かったと思う。

基本的にスポコン映画は好きだ。
それは多分、役者たちが本当にそのスポーツに取組むからだろう。
演技者たちはリアルにその競技難しさとの苦しさを味わい、まさに劇中のキャラクターの感じるであろうことを重ねて実体験するからに違いない。

同時にこの手の人気アニメの実写版は作るのが難しいだろうなとも思う。
結局、観客はアニメがどこまで実像として起き上がってくるかということを期待しているだろうから、求められているものは、形を変えたコピーである。
悪く言うば物マネに近くなるわけで、その中で実写でしか出せない生命感と臨場感、リアリティを表現することでオリジナリティを出すことを余儀なくされる。

まとまらなくなって来た・・。

とにかく、個人的にはとても楽しめた。エンターテイメントはこれが大切。
作り手に賛。

(書かなくても良いかもしれないけれど、伊勢谷氏のパンチにもう少しだけスピードとキレがあったら力石はより完璧になっていた、かな。)