Chiezaru’s diary

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日常雑記


【 トーマス・マン 】
Olympus SP-560UZ

特に書くことも思い浮かばないので、備忘録的に今読んでいる本のタイトル。
三島由紀夫『殉教』の短編集を少しずつ。三島の表現力の多彩さと巧さをやっと判るようになった今日この頃。かみ締めながら楽しめる文章の味。一年以上途中で頓挫しているトーマス・マンの『魔の山』も一行一行がものすごく濃いが、耽美派的な絵画的美しさを兼ねた三島作品は文章の醸す質量がまた一味違う。
彼が同性愛者だったという事実を知っていると肯ける眼の付け所というか、特有の視点を持っている。

平行して、それに飽きると先日仕事場のブック・エクスチェンジコーナーに置いてあった池波正太郎の剣客もので寝る前の時間を娯楽的に過ごす。
全何巻なのか知らないが同じタイトルで何冊も出ているシリーズ。
手元にあるのはその中の一巻なのでその前のストーリーは予想もつかない。予備知識が無しで一話づつ読んでも楽しめるようになっている作りで気軽。
行き当たりばったりで開いたところから始めればいい。
秋山小兵衛という達人の老剣客をめぐるお江戸の日常を描いたもの。
短編集的に毎回テーマが変わって進んでいくので毎週やっている『水戸黄門』とか『遠山の金さん』とかそんな感じ。
功も無く害も無く小時間を過ごすのに向いている。絵の無い漫画を読んでいるよう。
とりあえず手元にある一冊が終わったらその前後を読む必要はなさそう。