Chiezaru’s diary

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ロンドンから戻って。2011年再会、その一。


【 イギリス風ソーセージとマッシュポテト、茹で野菜 】イギリス、ロンドンのパブにて
Olympus PEN E-PL1 + Panasonic Leica D Summilux 25mm f/1.4 with MMF-2 mount adapter

ロンドンに二泊して昨日ローマに戻ってきた。
一応出張だったが、仕事は着いたその日だけ。
それもパーティーに出るだけのことだったので、どちらかといえばホリデーだ。

仕事がらみながら東京にあるとある宿屋の親父さんに会うのも今回の渡英で楽しみにしていたこと。 東京のど真ん中の由緒ある旅館のオーナーさんで、伝統のジャパニーズスタイルの宿を日本人だけではなく海外の旅行者にも提供している。
国際感覚が鋭く、辛口でストレート。でも厳しい発言の中に善意がこもっているのが分かる、最近では少なくなってしまった生粋の江戸っ子気質をもった人だ。裏表が無く面白いと思ったことには歳の差やら地位やらを跳び越して耳を傾けてくれ、同じ土俵で話をしてくれる。
それから業界の事情に通じていて話を聞いていてすごく勉強になる。ちょっとした裏話がまた面白い。実際的な社会の流れを踏まえて話をしてくれるので、日本という国が世界の中で今どういうポジションにいるのかということを考えるとき、頭の中でイメージが結実し易い。

土曜日は午後に旧友達に会う前に街中に写真を撮りに行こうと思っていたので、親父さんと一緒にぶらぶらと回ることになった。歩いて撮りたい物があると立ち止まって構図を決めてシャッターを切る。街歩きをするときのスタンスが似ているのか、いろいろな話をしながら、ロンドン「おのぼりさん」を楽しんできた。

午後にはロレンツォとカミッラと老舗ハロッズの前で待ち合わせ。
博物館見学より町並みが見たかったので、それからまたあちこちを歩き回る。

ロンドンで驚いたのは、公園が多いこと。そしてどれも非常に広く同時にちゃんと管理が行き届いている。ローマにも公園はあるがちょっと違う。
池があっていろんな種類の水鳥が羽根を休めているし、人馴れしていてすぐそこまで寄っていっても全然逃げない(というか餌を求めてよってくる)。木の上にはリスが住んでいる。

高層ビルは殆ど無く、空が見える(いつもグレーだけど)。
それからどこを歩いていてもランニングしているひとを頻繁に見かける。

ロンドンには今回で二度目だったが、前回同様この都市はどこと無く東京に似ていて好きな所だ。
特にチューブシステム、地下鉄網。どういうわけか駅々が都営地下鉄のそれっぽい雰囲気を醸している。
何なのだろうか、低い天井、幅の狭い階段のステップ、「エスカレーターの導入されていない度」。進んだ都市の中のちょっと遅れた感じが東京特有のレトロ感とシンクロするのかもしれない。アールズ・コートなんてなんだか水道橋の駅みたいだった。

ヴァレリーにも10年ぶりに再会できた。
彼も鎖骨骨折の治療中で左腕を吊っている状態なのにわざわざ来てくれた。
イングリッシュパブで食事をしながら5人で楽しく語った。
(イギリスの食べ物はまずいというがロレンツォが指摘するようにちゃんとしたところでちゃんとしたものを食べるととてもおいしい。このときに食べたフィッシュ・アンド・チップスなんて、衣がカリカリに揚がっていて全然油っぽくなく絶品だったし、イングリッシュ・ソーセージとマッシュポテトの組み合わせなんていうのも、口に入れた瞬間、ふと手が止まるほど美味しかった。)

早めにお開きになって、11時前にみんなと別れ1時間ほど迷うのを楽しみながらロンドンの週末の夜の街見学、歩いてホテルに帰った。

ヴァレリーは10年経ってもちっとも変らぬスマイルをもっていた。
この10年、彼女もいい人生を歩んできたんだなと思って嬉しかった。