Chiezaru’s diary

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つれづれ雑記とサントリーニの風景-9 (ワイナリー訪問-3-後)-了


【 Old grape tree at Koulara method 】- ギリシャ、サントリーニ島、アルテミス・カラモレゴス・ワイナリー
Canon PowerShot G7 X Mark II

(強風の吹くサントリーニ島では一般的に葡萄の木を低く育て、この地独特の様式は葡萄のつたを巻くようにしててバスケット)状に仕立てるやり方で「クルーラ」と呼ばれる。実際の発音は「コルーレ」との中間くらいに聞こえた。)

11月13日(月)、ローマ。昨日午後から降雨あり。明けて曇天の週初め。

このところ(個人的にと呼んでいる)教習所(Autoscuola:アウトスクオーラ)はサボり気味。
というのも、入所してから一月半経てば受けられるはずの学科試験がUfficio Motorizzazione Civile (ウフィッチョ・モトリッツァツィオーネ・チヴィーレ)、日本で言うところの免許センターがいっぱいで予約が取れないとの理由で今だにいつになるかわからないという状況に陥っているため。
とりあえず今年中は無理だというのは確定している。
なので年明けの一月になるはず。

一月もベファーナという祝日以降ということで、早くても二週目以降。
つまり、まだほぼまるまる二ヶ月先ということになる。
そんなわけで気合の抜けること甚だしく、ちょこちょこ勉強はしているものの、授業を真面目に受けに行くのは11月の終わりくらいからまた始めればいいか、という気分になってしまった。

イタリアのシステムだと仮に学科試験に落ちると次の試験までは1ヶ月待たなければならない。落ちたら暫く勉強しなさいというわけだ。
おまけに免許証自体は入所日から6ヶ月以内に取得しなければならず、自分が入ったのが9月の中旬。最初の試験が1月の半ばに受けられたとして既に4ヶ月が過ぎていることになる。
今いるような状況で仮に不合格だったら期限内に二度目がぎりぎり受けられるかどうかということになりかねない。
建前と実際がかみ合わない典型的イタリア的スチュエーション。
見方によってはなんだか詐欺みたいな話・・。

とりあえず試験日が決まったら気合を入れなおして一気に教科書を復習していくことにした。

話を変えてサントリーニのほうへ。(今日でサントリーニ関連は終わりにします。長々とお付き合いいただきありがとうございました。)

サントリーニの葡萄で興味深いのは大きく二点。ひとつは上に載せたクルーラ、バスケット仕立てという独特の栽培方法のほかに、19世紀中盤から20世紀前半にかけてヨーロッパほぼ全土の葡萄畑に壊滅的なダメージを与えた害虫フィロキセラ、根について木を駄目にしてしまうブドウネアブラムシの被害が出なかったことがある。

ワイナリーではフィロキセラの到来がなかったと説明を受けたけれど、調べてみると、サントリーニの火山性の土壌には粘土質が含まれておらず、粘土質含有の無い環境ではフィロキセラは生息できないということなので、仮に何処からか運ばれてきて上陸していたとしても広がることがなかったのだろう。

フィロキセラに対して耐性のないヨーロッパ種の葡萄、Vitis Vinifera(ヴィティス・ヴィニーフェラ)を栽培するときの対処法として、耐性のあるアメリカ種の根を台木にしてその上にヨーロッパ種を接木するという方法が用いられるが、その必要の無かったサントリーニには樹齢100年を超える木から採れる葡萄から作られるワインも珍しくない。セールスポイントの一つにもなっている。
そういえばシチリアの活火山、エトナのエリアでは接木なし、自前の根のまま栽培されているヨーロッパ種葡萄があると聞いた。同じ理由なのかもしれない。

以下アルテミス・カラモレゴス・ワイナリーでテイスティングしたワインなど。
Artemis Karamolegos Winery
http://www.artemiskaramolegos-winery.com/en/

ソムリエの資格を持っているのでサントリーのワインを良く知りたいという旨のメールを事前に送ったところ無料で迎えてくれた上にワイナリーの特別なワインまで出してくれたので有難く勉強させていただいた。

あれから既に2ヶ月ほど経っているので細かい香りと味は忘れてしまったけれど、覚えているものは印象を添えて。

クッキングクラスで出てきた一本目。このワイナリーのベーシックラインの白。所謂アペリティーヴォからアンティパスト向き↓
Cyclades PGI
Terra Nera
Dry White Wine 2016 (vol.13%)

Huwaei P9 Plus

同じくクッキングクラスのときの二本目。ワンランク上の白。食事との組み合わせも考慮されよりふくよかなボディー↓
Santorini PDO
Dry White Wine 2016 (vol.13,5%)

Huwaei P9 Plus


Huwaei P9 Plus

後日テイスティングで訪れて↓

Cyclades PGI
Aidani 2016 (vol.13%)

Huwaei P9 Plus
柑橘系の香りのフレッシュなワイン。アイダーニ葡萄から。香りはそれほど複雑ではないけれど口に入れるとフレッシュな酸で味わいのあるタイプ。

Santorini PDO
Assyrtiko 2016 (vol.13,5%)

Huwaei P9 Plus
アイダーニく比べるとアシルティコのほうが香り味、共にふくよかになる。

Santorini PDO
Pyritis 2015 (vol.13,5%)
Assyrtiko

Huwaei P9 Plus
更に上のライン、ピリティス2015。ピリティスとは「火」を意味する言葉でサントリーニの火山性土壌を喩えてたネーミングだという。樽熟成施され、より複雑なアロマに。
ヴォリュームととろみがサルデーニャ島のヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラDOCGに近い感じ。そこからサルデーニャ特有の塩っぽさを幾分引いたような印象。美味しかったので一本買ったところ、どうもそれがそれが売りに出ている最後のボトルでラッキーだった。


Huwaei P9 Plus

オレンジワインというカテゴリーに入る白。収穫した葡萄は早めに搾汁して醗酵させる通常の白ワインの作り方とは違い赤のようにマセレーション(漬け置き)を施したもの。14日間のスキンコンタクトしたということで、ポリフェノールが十分抽出されていて白でも酸化のニュアンスとタンニンの渋味を感じる。醸造家の「作品」と呼ぶにふさわしいい一本。ミスティリオ↓
Santorini PDO
Mystirio/14 2016 (vol.13,5%)
Santorini Natural

Huwaei P9 Plus


Huwaei P9 Plus


Huwaei P9 Plus


Huwaei P9 Plus

白葡萄のアシルティコと黒葡萄のマンディラリアから造られたロゼ。
サントリーニのワインは全般的にアルコール度が高めで大体13度から。
グリセロールのとろみもあり、軽めを意図して醸造された白やロゼでもフルボディーになる傾向↓
Cyclades PGI
Terra Nera
Assyrtiko Mandilaria 2016 (vol.13%)

Huwaei P9 Plus

サントリーニでもあまりに目にしない黒葡萄マヴロトラガーノの赤。
24ヶ月の樽熟成されている。つまり長期熟成に耐える品質の葡萄種だといこと。
注がれたワインは透明感のあるピノ・ノアールを思わせるルビー色。バルサミックな香りも立ち上品で、アルコール度数のわりに細身の女性的なワインだったと記憶している。樽熟成されたサンジョヴェーゼの赤から土っぽさを抜いて少しバルベーラとピノ・ノアールの風味を足したような感じだったような。ちょっと予算オーヴァーだったので購入は見合わせたけれど、興味深い面白いワインだった↓
Cyclades PGI
Mavrotragano 2014 (vol.13,5%)
24month barrique

Huwaei P9 Plus


Huwaei P9 Plus


Huwaei P9 Plus


Huwaei P9 Plus

ちなみに、このときのテイスティングには出てこなかったサントリーニでもう一つ有名なワインの種類にNykteri(ニクテリ)というタイトルのついたものがある。
Nykteri(ニクテリ)、ギリシャ語でニクタというと夜の意味。ニクテリは昼間の陽射しを避けて温度の下がる夜間に収穫した葡萄で造ったワインを指す。
同じアシルティコのワインでもニクテリのレーベルの付いたものの方が一般的に少し上のラインに位置していた。